疑惑は晴れて、
サクランボからアンズに改名してもらえた私は、
肥沃な土壌の栄養分をドンドン吸収して年毎に大きくなってゆきました。
最初の頃は、男勝りの三女が私の身体にまで登ってきて、
立派に実ったアンズを採って、家族で食べてくれました
嬉しくなってドンドン木の実を増やしたら、
流石に飽きてきたのか、誰も反応してくれなくなりました
そして、大きくなり繁り過ぎた枝葉は太陽の光を遮り、
完熟した実はボタボタと地面に落ち、カビが生えました
それだけならまだしも、どこから来たのか、ナメクジ君の大繁殖です
流石にこれには閉口したらしく、
御主人様は、私を根元から切り倒しました
「庭に果樹は植えるべからず」という教訓を学びながら・・・