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シルバーレイク物語 ~スコットランド~

およそ鞄に限らず、本当に気に入ったものは、 意外と少ないものです。 気に入って擦り切れるまで使い込んだ、 あるいは、擦り切れるまで使い古したけれどもなぜか捨てられない。 そんな感慨深い物との出会いは人の心を何故か和ませてくれる。

そんなことをシミジミと感じながら、 いつまでも大切に使い続けてもらえる鞄とは何かを真剣に考えています。

そして、使い込んでくれた人から 「この鞄は使いやすかったな!!」と、 そう思ってもらえる事を念頭に置きながら、 今日も鞄のデザインと機能を考え続けています。

さて、世界の一流品と言われる物には、 必ずと言ってよいほど明確なストーリーがあります。 そして、使う人に「なるほど!」 と思わせる創意工夫と使いやすさが宿っています。 そんな事をシミジミと思いながら 今回の企画に踏み切りました。

テーマは「ルアーandフライフィッシング」

そして、そのルーツはイングランドであり。 その豊かなフィールドを抱えるスコットランド。

「今までの遊びの経験を総動員して、それを鞄で表現したい。 そしてイングランドに君臨し続けるフィッシングバッグに 勝るとも劣らない本物の鞄を作り上げたい。」 そんな想いで、 一つ一つの鞄に私の持てる力の総てを注ぎ込みながら形にしています。

そして今回は、いよいよこの企画の核心に迫るシリーズの発表です。まずは、私の一番のお気に入りのワックスドコットンから。

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ワックスドコットン

全天候型の天然素材、そして最高級のエジプト綿を高密度に織り上げたワックスドコットン。

天然素材の行き着くところはこれなのでは…と密かに思い続けていた気持ちが、鞄に転化できました。

昔入手したカタログの中に、この素材を使用したジャケットが載っていて、 それを何度も見ているうちに、いつの間にか全天候型アウトドアの天然素材という、イメージが定着していました。

気象条件の厳しいスコットランドで、漁夫・農夫のワークウェアとして、生まれ育ってきたこの素材。 考えれば考えるほど、魅力的な素材に思えてきて、居ても立ってもいられず、 “10オンスキャンバス”という一番厚手の素材で、鞄の企画に踏み切りました。

使い込めば使い込むほど、自分色に変わってゆく天然素材の妙をお楽しみ下さい。

ただ、しっかり浸み込ませているワックスが、他の衣類などに移行する可能性があります。 特にベージュ、白系の衣類でのご使用時にはご注意下さい。

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リノワックス社製10オンスキャンバス

今回使用したワックスドコットンは、リノワックス社製のものを使用しました。 それも、10オンスキャンバスというと、受注してから初めて織り始めるという正に受注生産のもの。 発注してから優に2~3ヶ月はかかります。

しかし、Barbourのジャケットと同じ会社で織られている事実を知れば、 2~3ヶ月位は仕方がないかな、と思っています。

使い込めば使い込むほど、素材に艶が出て、コットンとは思えない風合いになってきます。 そして織り目がより詰まって防水性も増してきます。

この素材もまた、先人の知恵のすごさに、脱帽の素材と言えます。 思いっきり使い込んでみて下さい。

又、オイルが切れてきたら、販売店かシルバーレイク事業部へ御連絡下さい。

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自然の中で、好きな遊びに興じることが出来る幸せ。 それにしても様になっています。帽子とカバンをセットにすると本当にカッコイイですね!!

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長谷川を釣る窪田氏

スペイリバーにて、モニター使用する小池氏

スペイリバーにて、モニター使用する小池氏。この写真を撮りにスコットランドまで行きました。帽子と鞄をセットにすると随分とかっこいいことが解ります 。

※ワックスドコットンの帽子は生産終了しております。

ベンチで休憩していた我々に声をかけて釣り下って行った地元の若者。 キャスティングテクニックは相当のものでした。

ベンチで休憩していた我々に声をかけて釣り下って行った地元の若者。 キャスティングテクニックは相当のものでした。

彼が置いていったジャケットとロッド。どちらもかなりの年代物とお見受けしました。流石にスコットランド。こんな光景が当たり前のようにあるんですネ。

彼が置いていったジャケットとロッド。どちらもかなりの年代物とお見受けしました。流石にスコットランド。こんな光景が当たり前のようにあるんですネ。

朱子

朱子

さて、次に紹介したいのがこの朱子シリーズ。クラシカルのメインイベントです。そんな気持ちで作り込んでいます。

若かりし頃に購入し、擦り切れそうになるまで使い古した、英国王室御用達のフィッシングバッグ。 そのフラップ部分に10倍のルーペを当てて覗いてみると、 その織りは、どこまでも整然としていて、今でも現役で使用できることを、強烈にアピールしていました。

独特の光沢とすべるような肌触り、そして附属には、フルタンニンの革を使用し、 本場イングランドのものに勝るとも劣らない、そんな鞄に仕上げました。

朱子(しゅす)という素材

その昔、何度洗ってもヘタリにくいことから、中国の修行僧が好んで着用したという朱子。 その素材に着目し、自国のイングランドに持ち帰り、ゴム引きをして、 もう一枚コットンを張り合わせる事で、アウトドア用に変えてしまったという事実には、 驚きの念を禁じ得ないでいます。

その驚きと感動が、この素材の再現を現実のものとしました。

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ハリーシリーズ

ハリーシリーズのバッグをご紹介する前に、誕生のきっかけとなったハリージェーミソン氏の紹介から。

※ハリーシリーズは生産終了しております。
現在はリファインし、TOKIO AKIRA JAPANとして販売しています。

ハリージェーミソンとは

ハリージェーミソンとは、世界で唯一人、ロイヤルワラントの認定証を持つロッドビルダーです。現在も、チャールズ皇太子の持つプリンスオブウォールズの“スリーフェザー”マークを ロッドに付ける事が出来る、唯一のロッドビルダーです。

チャールズ皇太子以外にも、プロゴルファーのグレッグノーマン、トム・ワトソン。 映画俳優のロビン・ウィリアムズ、マールボロ公爵等々。彼の作るロッドを購入するため、 この地まで訪れた人は数え切れないという。

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現在、ハリージェーミソンにしか作れないと言われている「グリーンハートのロッド」は、 実は写真右側のアフリカでしか採れない緑心木で出来ています。これは、Father of speyと呼ばれ、Sirアレクサンダーグラントが オンサーで響きを確かめながら完璧なテーパーを付けた、 正に神業とも言えるロッド。

いざスペイリバーへ・・・ギリーのイアン・トンプソン氏にスペイキャスティングの手ほどきを受ける。

いざスペイリバーへ・・・ギリーのイアン・トンプソン氏にスペイキャスティングの手ほどきを受ける。

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只見川本流でハリージェーミソン氏作のクランのロッドで釣りを楽しむハリージェーミソンJAPANの窪田氏。

やはり大河川での釣りは迫力がありますね。何時の日にか、 このロッドコントロールをマスターして、夢の釣りを実現したいものです。

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ハリージェーミソン氏との出会い

8シリーズの商品の発表が終わった時、 当初より考えていた、シルバーレイククラブのストーリーが出来上がっていました。

そして、これを機により本物志向を目指すための、スコットランド出張が実現しました。

“出来上がった鞄を、実際のフィールドで使用している小池氏の写真を撮りたい”

その一心でこの旅行の計画を進めました。 しかし、初めてのスコットランド旅行。 小池氏からあれこれと情報は寄せられるものの、 頼みの旅行会社では、このような企画は初めてとの事で、 思うように予約が取れませんでした。

総てがベストタイミング

そんな折、小池氏を介して朗報が舞い込んできました。

こだわりのエグゼクティブマガジン『ゼブンシーズ』編集長の石川次郎さんが、
「僕の名前を出していいからハリーさんに連絡してみたら。」

と言ってくれたとの事。
早速、旅行会社にその旨を話し、連絡してもらいましたが、 何の事か良く解らなかった様で、ハリー氏から 「自分の会社(ハリージェーミソンJAPAN)が千葉にあるので、そちらに連絡して欲しい」と…
正にそれは出発の2日前の出来事でした。

今になって、考えてみると、総てがベストタイミングで事が進んでゆきました。

スコットランドを代表するかのような、エディンバラ城。 我々の宿泊したホテルの窓から、抜群のタイミングで撮ることが出来ました。

早朝トイレに立ち、眠気まなこで窓の外に目を移した時、 シラジラと明け始めたトバリの中で、 エディンバラ城が「歴史は黙として語らず」とでも言ったような姿で、 強烈にアピールして来ました。

刻々と変化してゆく自然の美は、登山、そして渓流釣りで幾度となく体験し感動してきましたが、 歴史的な建造物が訴えてくる美しさは、初めての経験でした。

また、スコットランドの空が、このように青く澄み渡るとは…。

しばらくの間、その美しさに言葉を失っていましたが、 ふと我に返り、カメラのシャッターを押し続けました。

ハリーシリーズの誕生

そしてこの日、シングルモルトウイスキーの醸造元を尋ねながら、 レンタカーにて北上し、目的地のダフタウンに無事到着し、 クレイガードホテルに入りました。

その夜、正装のハリージェーミソン氏の来訪を受け、 明日の予定を話し合いましたが、夢にまで見たスコットランドに、 今自分が居る事に感動を覚えずにはいられませんでした。

そして翌朝親友のイアン氏を伴って、ハリー氏が我々のホテルへ…
少々の打ち合わせの後、いよいよ待ちに待ったスペイリバーへ…

この時の詳細は別の機会に譲るとして、 このたった一週間ほどの経験が、自分の人生感を変えるほどのインパクトがあった事を、 後に知る事となります。

そして、この時の感動は、月日と共に増幅し、 現在、世界で唯一人「英国王室御用達のロッドビルダー:ハリージェーミソン氏」に是非使って欲しい鞄作りへと突き進んでゆきました。

それがこれからご紹介する ハリーシリーズです。

ハリーシリーズ

※ハリーシリーズは生産終了しております。
現在はリファインし、TOKIO AKIRA JAPANとして販売しています。

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ハリージェーミソン氏

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秋良登喜雄氏

スコットランドのスペイリバーにて・・・
日本製の鞄、シルバーレイククラブハリーシリーズを使ってくれています。実は、ハリーシリーズが完成した際に、朱子シリーズと一緒に是非使って欲しいという事で 送っていました。

そんな彼から写真と共に、「なんて美しい鞄なんだ!!」という言葉をいただきました。 企画冥利につきる言葉でした。夢にまで見たスコットランドの釣行で、今でも信じ難いハリージェーミソン氏との出会い。

また、ある日ふと目にしたヤマメ、イワナのクラフトに心奪われ、 半ば強引に鞄の製作をお願いした秋良(アキラ)氏。 この偶然の出会いが、ハリーシリーズを誕生させました。

堅実剛健を地でゆく、秋良氏が作り上げた鞄に、 アトランティックサーモンとグリーンハート(ロッド)が入った、クラフトエンブレムを丁寧に縫い付ける。総て一人で作り上げるからこそ出る独特の風合が魅力です。御希望により本人の名前を刻印することも可能。

前面のネットは実際に漁師が使っている漁網ネットを使い、 本体の素材は朱子を使用しました。 裏側には一つ一つにシリアルナンバーが入っています。

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ハリー氏の作り上げたグリーンハートと秋良氏の作り上げたハリーシリーズ。 この写真もスコットランドから送られてきました。

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アトランティックサーモンと『clan』のロッド。ハリーシリーズのエンブレムのデザインにも使用されています。

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秋良登喜雄氏

“趣味を仕事に”

1つ1つ気持ちを込めて作り上げる。
そこには、妥協という二文字は見当たりません。 好きで作り続けてきたことが今、こだわりの解る人達に新鮮な感動を与えています。

活き活きと表現される渓流魚と蝶

フルタンニンの革の上に活き活きと表現される秋良氏の作り上げる渓流魚と蝶達。実際に釣り上げ、あるいは捕り、渓流の魚達から蝶までを革の上に見事に再現し、活きかえらせてゆく。

彼の作品の中には、それ等をキャッチした時の歓びまでもが息付いています。

そして現在、シルバーレイククラブをきっちりと展開してくださっているお店を中心にして、 年1~2回の回数でシルバーレイククラブのプロモーションと同時に、 彼の作り上げた作品の実演販売を行っています。

詳しい情報や、今後のイベント情報を知りたい人は アキラクラフトへお問合せ下さい。すでに決まっているイベントがあれば案内状を御送りします。